就労継続支援B型事業所 alley(アリー)/ 職業指導員
岡島絵美さん
誰かの人生に、深く関わる尊い仕事。

人と関わる仕事がしたくて 何もわからず飛び込んだ。

 学生時代からずっと「人と関わる仕事がしたい」と思っていました。大学卒業後は岐阜の結婚式場へ就職し、ウエディングプランナーとして3年間働きました。プランナーは憧れの仕事でしたし、毎日とてもやりがいを感じていましたが、自分の時間を削らないと回らないほど激務で、ちょっと疲れてしまって…。次の転職先に選んだのは医療事務。とても安定していてプライベートも確保できましたが、プランナー時代と比べると、少し物足りなさも感じていました。
 そんなときに、自宅からすぐ近くの川原町に新たに開設する就労継続支援事業所「alley」の存在を知りました。当時の私は、障害者の就労支援という仕事があること自体知りませんでしたし、障害者という言葉から身体的な障害をイメージしていたので、「精神障害・発達障害の方へ就労支援」と聞いて、「どんな世界なんだろう。もっと知りたい」と思うようになり、思い切って応募してみました。どんな制度があるんだろう?どう支援をしていくんだろう?未経験でもできることはあるのかな…?と、知らないことを知りたい気持ちが膨らんでいったのが、転職のきっかけでした。

人生のなかの休憩時間、 心穏やかに過ごしてほしい。

 現在私は、岐阜市川原町にある築130年の町屋を改装した事業所「alley」で、職業指導員として働いています。主に、精神障害や発達障害の方への就労継続支援ということで、手先を動かすようなさまざまな作業を、メンバーさん(利用者)やほかの職員の方々と一緒に行っています。alleyの開所と同時に入社し、スタートメンバーとして働き始めたので、何もかも手探りでしたが、事業所をゼロから立ち上げるお手伝いができたのは良い経験になりました。
 alleyに通うということは、決して特別なことではありません。きっと長い人生の中で、ちょっとだけ休憩するタイミングなんじゃないかと、私は個人的に思っています。私たちは、メンバーさんが安心して通えるような居心地の良い休憩場所にしていくために、一人ひとりのことを考えた支援をしていきたいと思っています。未経験から入って1年くらい経ちましたが、知識や経験はまだ未熟で、経験豊富な先輩方に助けてもらいながらの毎日です。そんな私でも、私にしかできない関わり方を模索しながら、まずはメンバーさんにとって話しやすい存在、ポロッと本音がこぼしやすいような存在の職員でいたいと思っています。

伝統工芸に携わることで 目の前の仕事に、誇りを。

 alleyでの作業内容はいろいろありますが、基本的にはものづくりが中心です。自主製品であるマスクやアクセサリーを作ることも多いですが、最も特徴的なのは最も特徴的なのは岐阜提灯や美濃和紙など、岐阜の伝統工芸の工程の一部に携われることですね。作業をするときは、目の前の工程の手順だけを伝えるのではなく、その工程がある理由や意味、その後どんな工程を経て完成し、どこで販売されるのかなど、できる限り詳しく話すようにしています。「伝統工芸に携わっているんだ」「私の作業を経て、完成するんだ」という、仕事に対する自信や誇りにつながるといいなと、いつも思っています。
 メンバーさんも職員も女性ばかりの事業所なので、みんなで話しながら、笑いながら作業をしていることが多く、職場はとても明るい雰囲気です。メンバーさんと話をするのは、とても楽しくて充実した時間。他愛もない話から、相手がどんな生い立ちなのか、どんなことに喜びを感じるのか、どんなことに悩みや不安を持っているのかなど、深く知り掴めることもあります。そうしたコミュニケーションを繰り返しながら、相手のことをもっと知って、良い関わり合いをしていきたいです。

誰かの大切な人生に、 長く、深く、関わる仕事。

 この仕事をしていて、一番やりがいを感じるのは、メンバーさんの成長が感じられることです。今、alleyに通ってくださっている女性のメンバーさんのなかに、以前ほかのB型事業所へ通っていた方がいます。以前の事業所では、通所は月1回程度だったのですが、alleyに通いはじめてからは徐々に増え、週3~4回も来れるようになりました。楽しそうに作業をする姿をみていると、私もとても嬉しくなります。
 私はずっと、「人と関わる仕事がしたい」と思って職を転々としてきました。ウエディングプランナーも、その人の晴れ舞台に深く関わるすばらしい仕事でしたが、この仕事はさらにもっと奥深く、長期間にわたって、誰かの人生のとても大切なタイミングに関わる仕事だと思います。もしかしたら、自分の関わりがその人の人生を変えてしまうかもしれない。それはほかの何にも代えられない、大きなやりがいでもある一方で、重大な責任も感じています。alleyで過ごした日々が、その人にとって小さな自信につながったら、こんなに嬉しいことはないですね。

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